新しい市場に向かって

=「SCMリサーチレビュー」第2号(1999年冬号) 巻頭言=

1999年2月
季刊「SCMリサーチレビュー」編集長 梅澤伊憲
( 褐o営資源システム研究所 取締役研究開発部長)

本稿は、ERPフォーラムSCM研究プロジェクト(当時)の機関誌として発刊した「SCMリサーチレビュー」誌の第2号「巻頭言」として寄稿したものに、加筆・改訂したものである。


【はじめに】
 ERP研究推進フォーラムでSCM(サプライチェーンマネジメント)をテーマとする研究プロジェクトの立ち上げを検討し始めてから丁度一年が経過した。昨年4月のSCM研究プロジェクト発足以降の活動経緯や成果については、月例会であるメンバーズミーティングでの発表や当レビュー創刊号(および本第2号)の掲載記事に詳しい。一年前には想定しなかったことにも幅広い理解が及んだし、これらを種々の機会を作って日本の企業や市場に紹介し課題提起することも当初の想定以上に進めることができた。
 この3月で、このプロジェクトの当初設定した期限を迎えることになる。また、1月21日のキックオフミーティングを以ってSCC(サプライチェーン協議会)日本支部も具体的な活動を開始する運びとなった。その後の本件の発展のさせ方やERP研究推進フォーラムでの取り扱いについては、ERP研究推進フォーラム自体の後継論議も併せて、当プロジェクト期間内に提案することで巧く移行させたいと考えている。そのプロジェクト後続体制づくりの過程で、多くの関連団体や有識者と意見交換および相談をさせて頂き、一層各界のSCMに対する関心の強さを確認するとともに、種々の本質的な課題の存在も明らかにする事ができた。
 本稿は、その中でも多くの方々から寄せられた「日本の市場におけるSCMの意義と在り方」という基本的な問題認識の整理を試み、それらに対する若干の所見を述べて今後の日本市場の対応策について付言するものである。また、この中でSCM研究プロジェクト活動を通して得られた基本用語の理解や現状認識に対する解説も加えた。これを以って本号の巻頭言としたい。

 【日本市場の課題】
 現今の閉塞感を伴った景況認識に対して、行政の思い切った梃入れを含めた幅広い日本市場の活性化策を講じる事で、一刻も早く以下の課題を克服する事により「強い」市場に復帰する事が産官学を挙げての焦眉の急であろう。
 ここ暫くの日本市場の対応課題は、
@グローバリゼーション
A金融ビッグバン
Bこれらに応えるための産業構造転換
であると言われている。
 即ち、下記のような市場環境の変化に対応することである。
=右肩上がり、安定指向 → 変化の日常化、俊敏な再編成・再構築
=海外貿易、国内プロトコル → ボーダーレスな再編、国際プロトコル
=伝統的なイニシャチブ、護送船団 → 対顧客イニシャチブ、オープン化、機会均等
=固定的な企業の機能、機能重視経営 → 役割の多様化、企業間プロセスの変化

 【日本市場の違和感】
 しかし日本市場が抱えるこれらの課題を総論として論ずる事は出来ても、各社の夫々の現況や業界の周りを見渡した時、これらを素直に「自分の問題」として肯ける日本人も少ないのではないだろうか?グローバル標準と称する米国中心のディファクトの席巻、戦後の復興を汗水たらして支えてきた製造業を尻目に官財船団で護送を続けてきた金融業界、実需とかけ離れた膨大な金融取引をもたらす市場原理主義、等々。何故これらが「日本全体の課題」であり「皆で苦しむべき課題」なのか。要するに「私のどこが悪いのか」、「何故私が変わらなければならないのか」ピンときていない人達が大半ではないのか。
 更に、このように「自分の問題」として実感出来ない根底には、今までの「日本的」な商慣行や組織運営方式を妄りに捨ててしまう事への異論や不安がある。即ち、
(1) これらの外圧や経済低迷状態に対する温度差(危機意識の差)の存在
(2) 優勝劣敗、雇用確保、貧富格差の拡大などに対する不安
(3) 価値観、倫理観を経済的事情で変化させるべきではないという文化論

 【日本市場の現状】
 これらの「違和感」が払拭出来ない結果、日本の市場構造の転換やパラダイムシフトの必然性が叫ばれて久しいのに本質課題は目に見えては打開されていない。既存の「日本流」の商慣行や企業運営方式を中々脱皮できないのである。否、脱皮すべき根拠が「自分の問題」として明確に認識できていないのである。この事が日本企業の生産性、特にホワイトカラーの生産性の向上を遅らせ、円高定着下の現今となってはかつて日本成長の源泉であった製造業種においてすらグローバルな競争力を低下させる事に繋がった。企業システムの再構築、市場システムの再編成が中々本質を突けないできたのである。昨年の経済戦略会議の中間答申の世間での受け止められ方の根底にも、「一層の競争自由化」「市場主義」「オープン化」等に対する「心配」や「懸念」がかなり大きく表れている。
 また、我々の研究課題に目を向ければ、この企業システムの再構築、市場システムの再編成が抜本的に進まない事が、「ERP」パッケージの導入普及度合いが未だに欧米並みには遠く及ばない(企業の情報システムの整理統合が進まない)事や、「SCM」も一過性の流行で終わってしまう(企業間をまたがるビジネスプロセスを再構築出来ない)のではないか、という懸念を生じさせる事にも繋がっている。つまり、市場構造の転換の必要性の自覚、および、それに耐え得る価値観や社会経済基盤の再構築が併行して進んではいないにも関わらず、欧米の成果物(の一部)である「パッケージシステム」だけを取り込もうとして充分な成果を上げられないでいるのである。

 【市場再生の鍵、SCM】
 我々は、このような閉塞した状況を打開して新しい日本市場の「形」を創り出し、しかも世界に解かるようにアピールしなければならない。日本企業がなすべき事は、参加している(あるいはこれから参入する)サプライチェーン全体を見直す事で市場全体の課題を明らかにし、その中での自企業の新しい役割と改善点を明確にして、その実現に向けたアクションプランを作り大胆に実行する事である。これは正しくSCM(Supply Chain Management)であり、ここ暫くの日本市場における経営努力は、このSCMに焦点を当てるべきである。当面は「自企業中心の全体システム再構築」だけに知恵や時間、コストをかけている暇は無い。また、断片的な「改善」を積み重ねて全体システムを一層複雑にするような活動は直ちに止めるべきであろう。「複雑であったり曖昧であったりするシステム」こそグローバルな視点で見れば「障壁」であり、日本企業自らの変容を阻害しているものである。
 このSCMの観点で企業システム、企業間システムを見直す事によって、参加者は日本市場が抱いている「違和感」に「自分の問題」として直面せざるを得なくなり、自分なりの解決策を講じざるを得なくなる。自企業システムの再構築(結論はERPパッケージの導入かも知れない)の必要性や統合管理すべき範囲が、「輸入物の当てはめ」ではなく自らの新しい役割の実現という目的から明らかになるのである。
 更に幅広くSCMを推し進める事により、日本市場全体の課題、すなわち「社会的経済的なインフラの整備再構築に係る課題」=「行政の課題」が明らかになる。これは、従来の延長で要素技術を助長したり、弱小業種を救済する事に公的投資の主体を置く事でもなく、外圧に押されて行政のイニシャチブを失う事でもない。
 今こそ、行政が将来を見据えた全体整合のとれたビジョンを提示し、具体的なインフラ作り(特に知的インフラ作り)に着手して、国を挙げて日本市場の変革を推し進める事にチャレンジすべきである。

 【SCMとは】
 ではSCM(Supply Chain Management)とは何か。本誌でも創刊準備号以来、多くの方々の見解や主張を取り上げてきた。結果として、様々な定義や理解が在るが厳密な定義を加える事自体には余り価値は無いらしい、というのが大方の受け止め方である。しかし、次の諸点は多くのSCMの定義で受け入れられている。
@ 「調達」「製造」「物流」「販売」等の、企業の基幹業務であるサプライプロセス群(「製品」や「サービス」を市場に供給するための一連の業務)を連鎖として統合して計画管理することで全体最適を目指す
A 企業間をまたがったサプライプロセス群の統合計画管理を実現することでサプライチェーン(サプライプロセスの連鎖)全体の最適化を目指す
B 「最適」度は業務毎・企業毎の個別の効率(生産性など)で評価されるのではなく、サプライチェーン全体のスループットと在庫、そして費用という優先度で評価される
C 「物(サービス)」、「金」、「情報」のスループットを評価し、ボトルネックの改善を繰り返す事でサプライチェーン全体の最適化を実現する(因みに、プロセス連鎖を「金=各プロセスの付加価値」の視点で捉えると「バリューチェーン(Value Chain=付加価値連鎖)」となり、「情報」のフィードバック連鎖の視点で捉えると「ディマンドチェーン(Demand Chain=要求連鎖、需給連鎖とも)」の見方となる)
D 評価のベースは、局部的・期間的な企業利益や部門生産性にではなく、サプライチェーン全体を通してリアルタイムに実現すべき「顧客満足(カスタマーサティスファクション)」に置く
E 企業をまたがるイニシャチブは所謂「系列内企業群の共栄」という価値観ではなく、「強み」を提供し「弱み」を補完し合う対等な「パートナーシップ」や「アウトソーシング」、M&Aに至るような企業の枠組みの再編等を可能にする、オープンで自由な企業の相互関係が前提となる→このような企業間の連携環境作りが最も重要で難しく、経営トップ同士が目的を正確に理解し合って取り組む事が必須となる

 【SCMとSCP】
 ERP(Enterprise Resource Planning)は、MRP(Material Requirement Planning)を発展させたMRPU(Manufacturing Resource Planning)がベースになったものであり、企業の経営資源の統合最適化を狙いとするものである事は良く知られている。実現手段としてのERPパッケージシステムの目指す処と同義で語られる事が多い。
 しかし、SCM(Supply Chain Management)は前出の定義要件にも見られるように、企業をまたがる経営管理概念や手法体系を指す事が多い。これらの計画管理機能を実装したパッケージシステム製品を指す用語としては、AMR社(Advanced Manufacturing Research=米国の先進製造業を対象とする調査研究会社)がMRPの対語的にネーミングしたAPS(Advanced Planning and Schedule)や、SCP(Supply Chain Planning)等を使い、SCMと区別している。一昨年来協調関係を築いて来たSCC(Supply Chain Council)の活動範囲や内容を見ても、ツールとしてのSCPパッケージ製品要件はSCM活動のごく一部に過ぎない。

 【SCMとIT(情報技術)】
 SCMはまた特定の管理理論なり手法を指す言葉でもない。確かに、複雑系の実践研究から生まれてきたTOC(Theory Of Constraints=制約理論)や、直接原価計算を更にキャッシュフローに徹底したスループット会計等、現在のSCPの基盤理論とされているものはいくつかあるが、これらだけがSCMの十分条件ではない。現実の企業をまたがる広範なプロセスを改善し管理していくには、各種の需要予測手法、生産管理手法、在庫管理手法、これらをCS(Customer Satisfaction)の視点から統合したJIT(Just In Time)やVMI(Vender Managed Inventory)、QR(Quick Response)、ECR(Efficient Consumer Response)等々、広範な計画・実行・管理の手法・技術が適用出来るし必要となるだろう。SCPに必要となる各サプライプロセスのデータを収集する為だけでも、管理方式の見直しやシステムの見直しが必要となる場合も多い。
 従って、SCMに必要な(或いは、SCMの結果適用が必要となる)IT(情報技術)には、SCPやERPはもとより、源流情報管理としてのPDM(Product Data Management)や情報活用の為のインフラとしてのDWH(Data WareHouse)蓄積活用のためのインフラとしてのDWH(Data WareHouse)、企業間連携の実現手段としてのEDI(Electronic Data Interchange)やCALS、B to C(Business to Consumer)の取引を含む基盤技術としてのEC(Electronic Commerce)等や、現場のボトルネック解消策としてのMES(Manufacturing Execution System)やSFA(Sales Force Automation)等のあらゆる情報技術や製品が挙げられよう。更に、ビジネスプロセスを記述したり分析再編成したりするツールや、ビジネスプロセスをコンポーネント単位で実装する分散オブジェクト環境、それらを一連のプロセス連鎖として稼動させるワークフロー等の情報処理基盤技術も一層重要な位置を占めつつある。
 SCMは、これらの様々な経営管理技術の工夫進展と、それらを実装したIT(情報技術)の出現によってその実現が支えられるのである。

 【ERP導入が先か、SCP導入が先か】
 という議論がある。結論はそのどちらでもなく「SCM戦略が先」である。企業“内”のシステム統合を目指すにせよ(この具体策の一部がERPパッケージの導入)、企業や機能“間”をまたがる計画管理の統合を目指すにせよ(この具体策の一部がSCPパッケージの導入)、対象とする企業内の業務プロセスや、企業間のビジネスプロセスが見直され再構築されなければならない。この業務(ビジネス)プロセスの見直しを進める過程で、企業は自らを内省するだけでは「日本市場の課題」をクリア出来ない事に気付かねばならない。市場に投入する「製品」や「サービス」がサプライチェーン全体を通して競争力を持たなければ日本市場の強化にはならないからである。
 何れにしても、自らの「製品」や「サービス」に対するサプライチェーンマネジメントの戦略が明確でないと、単なる「パッケージ導入」が目的になってしまう。自企業システムの再構築・統合の目的や範囲、優先順等を明確にするためにも、サプライチェーン全体を見渡してみる事が不可欠なのである。

 【SCCとSCOR】
 SCC(Supply Chain Council=サプライチェーン協議会)は、SCOR(Supply Chain Operations Reference model)の標準規約化とアップデイトを通してSCMの方法論と実際例データを体系化する事で、幅広くSCMを推進普及しようとする団体組織である。現在は、SCORおよびSCC活動の中立性を確保するため創始者のPRTM社から独立した非営利管理会社が運営する団体となっており、その運営は、400社(内、日本企業は約40社)を数える参加企業の参加料金と参加各位の熱心なボランティアで賄われている。
 ERP研究推進フォーラムでは研究活動を始めるにあたり、ERPが実装すべきビジネスおよびビジネスプロセスのモデルの調査研究を行った。この過程でSCORの存在を知りSCCの活動(当時はPRTM社の顧客グループ活動)に触れる事となった。非常に単純化した記述を目標としており、企業内および企業間のプロセス連鎖を出来るだけ明解にしかも単なる理論の展開ではなく実践的に記述する事によって、サプライチェーンを構成する企業間およびグローバルに共通理解を得ようとしている処に、活力と将来性を見出して研究対象モデルの一つに取り上げたのである。
 SCORは、企業および企業間のサプライチェーンを構成するビジネスプロセスの実態を記述し、他企業や優良企業との比較(Benchmarking)を可能にし、改善後のプロセスを記述してグローバルに共通認識できるような「共通言語」であり、構成する各プロセスの性能評価の尺度(Performance Measures)が定義されている。

【日本におけるSCC活動の課題】
 このSCCの活動とSCORに対する、日本市場から見た懸念はいくつかある。
(1) 米国市場を中心に考案され発展してきたものであり、日本の市場(企業)にはSCM活動全般にわたる「違和感」を乗り越えるだけの経験や蓄積が無い。これは、前述の経営管理手法の多くが日本発であるにも関わらず、その体系化や一般化が主として米国でなされ結果だけが(夫々断片的に)日本に上陸してくるからである。従って日本においては、これらの手法の体系化や幅広い企業各層への学習機会の創出等までが当活動に付帯して必要な事になり、これはSCC活動の枠組みだけで推進するには余りにも重い課題と言わざるを得ない(*)
(2) SCORを実用するにはSCCの有料メンバーシップが前提となるが「標準は誰でも使えるしタダで使うべきもの」という日本的な認識と合わない。ビジネスライクにディファクトとして勝ち残ってきたものを(当然)有償で使用するという観念が薄いのである。このような日本の土壌の中で、日本におけるSCORの実用はSCC(日本支部)の枠組みで実施することになるが、低料金のメンバーフィーの日本支部への交付金は更に微々たるものであり、実地の活動は参加各社のボランティアに依存せざるを得ない
注:例えば米国では、APICSやDoD等の機構が体系化を不断に実施している。NISTのような国家レベルの標準管理機構がベースになるビジネスモデルの研究を続けているし(彼らもSCCに加入してSCORの実地研究の仲間入りをしている)、これらはMBAによる経営教育にもキチンと織り込まれている

 【MUST DO】
 日本市場のSCMに対する関心が強まる中で、米国流の市場原理主義だけで対応する事への困惑や、欧米製のパッケージ商品と日本の商慣行や業務処理との不適合に対する問題認識は逆に高まってきている。これは基本的に日本市場あるいは日本人が持っている「違和感」による処が大きい。これを乗り越えるには、当事者たる企業や市場が現状や課題を正確に自覚し経営努力する事が第一義である。
 しかし、個々の企業レベルで市場全体の見直しを進める事には限界があり、特に根強い「違和感」「不安」「被害者意識」を払拭するには、経済戦略会議答申の片やの基調であるインフラの整備や提供の面での公的機関の役割が非常に大きい。そのために、今こそ通産省や関連諸団体が力を合わせて「日本の(広義の)情報行政面の課題」を具体化するとともに、イニシャチブを強力に発揮すべきであろう。

 【行政課題】
 今行政が為すべき事は、この日本市場に蔓延している「違和感」を単に「民間主導」として放り投げるのではなく、どのような方向に解消して行くのかという指針を示す事と、基盤を形成する上で必要なモデルを早期に設計し提示して実用を促す事である。以下のような項目に、行政の明確なスタンスと実行力が求められる。
(1) ビジョンと指針の策定と提示
情報インフラとそれが支えるべき社会経済をどのような方向へ誘導し整合させようとするか
行政はどこに責任を持つのか
成果の評価をどのようにしようとしているのか
(2) 相互運用体制の構築と維持
単なる個別テーマへのバラマキ助成は、全体効果・波及効果の高いものに絞る
(民間投資主導で利益性の確保できるプロジェクトは民間にまかせるべきである。公的助成は、ビジネス機会の一般化やベンチャービジネスの育成保護の観点からの投資に回すべきであろう)
コモンビジネスプロセスの研究と定義、標準の維持や市場への提示
(ERPの日本市場への導入体験から、日本でも70〜80%のビジネスプロセスは独自性、業務処理自体の競争力を前提とする必要がない事が解ってきている。日本の「無駄」の最大のポイントは、「コモンプロセス」と「コアプロセス」の識別が進まない事にある)
市場での成果の体系化と幅広い情報交換共有環境の構築と維持
(3) 経営教育、経営者教育基盤の整備
単なる情報行政の一部ではなく、経営方法論、知識ベースの体系化
MBAのような経営教育制度、カリキュラムの策定と具現化
産学共同の全国体制

 【プロジェクトの評価と今後のビジョン】
 今次プロジェクトの活動を経て、以上のような課題を具体化する事ができた。SCMの日本市場への紹介とSCORと事例を中心とする基礎研究の面の初期活動としての成果を充分に上げる事ができたと考えている。これは偏に福島プロジェクトリーダー、北風さんを始めとする幹部の方々の力量とボランティア活動、プロジェクトメンバーの熱心で的確な御参加の賜物である。そして微力ではあるがERP研究推進フォーラムの当プロジェクト担当研究員の努力も何某か寄与できたものと思う。また、これらの方々も全員がプロジェクト参画の見返りとして、夫々の立場で多くのものを持ち帰って頂くことができているものと確信している。ERP研究推進フォーラムプロジェクト企画研究部会担当としての私の立場からも、皆さんに大いなる拍手と賛辞を贈りたい。
 今後の継続する推進体制としては以下を考えている。
(1)ERP研究推進フォーラムの後継体制づくりを睨みながら、現プロジェクトの活動の中の定常的な活動(メンバーズミーティング、事例研究、リサーチレビューの発行等)は、フォーラムの定常運営体制に組み入れて継承する
(2) SCORの実用に関るテーマ(SCORを使ったSCM方法論のトレーニング、ベンチマーキング、実地のSCMプロジェクト等)は、基本的にSCCのメンバーシップに基づく体制に移行する
[当面、SCORに関る(3)との連携はSCCメンバーとして対応せざるを得ない。我々としては、日本支部のドメイン化(SCORのアジア標準などの)やSCORのデジュア化の促進を支援する事になる]
(3) 「行政の課題」の項で具体化した官主導の明確化と民間事業との機能分担を行い、行政の責任を遂行できる体制づくりを助長し参画する
[受け皿組織、現ERP研究推進フォーラムからの参画方法等は今後の検討による]

 19992月末日 梅澤)