故・福島美明 福島 美明(ふくしま よしあき)


このページの主宰をお願いしておりました福島美明さん(日本ビジネスクリエイト社長)は、2001年7月19日急逝されました。
「暇ができたら掲載できるものを考えますよ」と言ってくれていましたが、その暇も無く慌しく逝ってしまいました。
私(梅澤)との因縁については概略を下記の追悼文に書いておきました。当研究室のページは、当サイトとしても彼の足跡を記念するために保存しておきたいと思います。その内に、関係者と相談して発表できる遺作や未発表のものの掲載も検討してみます。

(2001年7月28日 梅澤)

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◇福島美明さんの急逝を悼む◇

 福島さんとの出会いは、2十数年前に遡ります。前職の川越工場の生産管理課に「新卒の優秀な若手が入ったので宜しく」と紹介されたのが、当時本社のシステム部門の企画担当として工場のシステム見直し計画を工場長以下と検討を始めた私との出会いでした。以後、同社の伝統的な連続生産管理方式をMRP方式・ユニット中心型に変革する、という工場システム改革の中心になったのが彼でした。COPICSのコピー版を輪読して議論し合った事や、新システムの開発や切換えに本社システム部門と工場が一体になって徹夜徹夜で頑張った事が思い起こされます。

 その後、私は他工場のシステム化推進や国内外の販売物流ネットワークシステムの企画推進等へと転進したため同工場とは疎遠になりましたが、福島さんは工場現場の改善やシステム統合に手腕を発揮し、海外の生産法人のシステム化支援などにも貢献しました。また、この頃の経験が、後の「ERP」や「SCM」領域での活躍の源泉になったと思われます。
そして新たな活躍の場を求めるべく同社を転出、早稲田の先輩である市井社長(当時)の率いるJBC創設に参加する事になりました。この頃から暫くは夫々の路を歩む事になりましたが、彼はJBCの仲間とともに終生の身上である「現場の実践的な改革」を数多くのコンサルテーションを実践しながら培ったものと思われます。創業期は決して順風ばかりでは無かったと思いますが、ハイテク製造業や自動車業界の多くの企業や人材とのパイプはこの10年間に積み上げられたものでしょう。

 福島さんとの再びの出会いは、私が前職での「ERP」導入の困難を乗り越える目処がついてきた矢先に家内を病没させるという大事を体験して、仕事人生にも一区切りつけようと思い立った5年前になります。私はERPフォーラムという団体活動に参加する事になりますが、彼はJBCに「同期ERP実践研究会」を立ち上げて独自の活動を始めようとしていました。(後の「同期ERP研究所」の母体。「研究会」は「SCM」テーマ名も冠して活発な活動を継続しています)私も何度か招かれましたが、ユーザー企業やコンサルタント中心の同研究会にはITサプライヤー中心のERPフォーラムとは異なる熱気を感じたものです。韓国ERPセンター開所式に共に招かれたりした事、米国型実践モデルとしてのSCORモデルの評価に関する議論等、昨日の事のように思い出されます。

 そのような流れを活用して新たな「うねり」を作って行こうという試みが、3年前にERPフォーラムに特別プロジェクトとして編成させて頂いた(会員外の企業や個人参加の路を開いた)「SCM研究プロジェクト」でした。そして同プロジェクトの初代リーダーを福島さんにお願いしたのです。このプロジェクトでは、JBCの北風さん、Nix研の吉原先生、NECの大石さんを始めとする、多くのしかも多方面の人材と交流しコラボレートする事ができました。
この過程を通して日本に紹介し導入してきたSCORやSCC(サプライチェーン協議会)活動は、福島さんや北風さんを始めとするJBCのご支援ご指導で成り立ってきましたし、また、この活動がJBC自身だけでなく日本の企業のSCM関連活動、企業の変革活動に広範な影響を与えてきた事は間違いありません。彼のこの数年の講演や著述の記録は如実にこの事を物語っており、日本を代表する企業のいくつかが彼のプレゼンに触発されて自企業の革新活動に乗り出してきた事がこれを証明しています。

 葬儀の祭壇に陳列された著作の数々を望みながら、このような事を思い起こしておりました。これからが日本企業の変革の真の「実践」なのに・・・。これから本当のコラボレーションが始まるのに・・・。
早口で挑戦的な、しかし物柔らかで解かり易い語り口、合唱で鍛えた張りのある声は二度と耳にする事はできません。余りに急で未だに信じられないのですが、これは厳然とした事実として受け止めるしかありません。
しかし、彼は我々に多くのものを、企業変革の本質とチャレンジ精神とを残してくれました。残された我々にとっては、これらを更に膨らませて21世紀の新しいビジネス像を追い続ける、これを銘ずる事が、急逝してしまった彼への真の手向けとなる事でしょう。

合掌

2001年7月28日
梅澤伊憲


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